風画杜

事例:作庭works: garden design

国立市富士見台 K邸

茶道表千家稽古場兼住宅
茶庭作庭
敷地面積 約15㎡

和室とよばれる部屋は、その簡素さ故使う人によって、その性格が変容する。ここで紹介する和室も、生活の場として利用されていたが、茶道表千家稽古場と利用することになった。一重露地の形式で、長く育てられてきたツバキ、フジなどは植え直し、ハランなども移植した。また、火鉢は手水鉢として再利用した。2階である場所柄、隣接する商店看板などの遮蔽の役割と、茶室空間の演出を兼ねて黒穂垣をしつらえた。

京都市左京区下鴨 N邸

茶道表千家稽古場兼住宅
茶庭
敷地面積 約21㎡

大寄せの茶会が主流となっている現代、茶事において時間を早めるため多くの所作が省略されているのはまぎれもない事実である。特に露地における所作に至っては、ほぼ皆無といってよい。京都市内にも数ある茶道の稽古場では、外露地、内露地を備えることができる程の敷地を有するものは少ないことも所作が省略される原因の一つである。しかし、茶の湯において「露地」は機能の面ではもちろん、世俗から隔離された茶の湯空間への「移行の場」としての役割を果たす重要なものである。今まで茶庭になり得なかった敷地面積において、現代の「茶の湯」で機能する一重露地を作庭した。