風画杜

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[news]

2014.12.05

風探歩 青森県平川市編

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お庭の整備工事は、長雨に見舞われたときは現場が

止まります。

しかし、この機会を逃してはならなく、ほかのお庭をみ

させていただく絶好の機会になります!

限られた時間のなかでまわるお庭は貴重です。

今回は、黒石市の近くの町、平川市大光寺一滝本123番地の

清藤家庭園(せいとうけていえん)に伺いました。



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県指定の資料によると、築庭年代は明治30年頃~大正8年と
伝えられ、築庭者は、大石武学(おおいしぶがく)流宗家4代
小幡亭樹(おばたていじゅ)。
なお、伝承では、本庭の完成が大正8年であることから、年代
でみると、5代池田亭月(ていげつ)も関与した可能性も考えら
れるといわれています。
当時、初代大光寺(だいこうじ)村長を務めた長内健美(たけみ)氏が、
明治30年頃から小幡に築庭を依頼したことから造営がはじまった
そうです。
築庭は健美氏の子の健榮(けんえい)氏に引き継がれ、大正8年に
完成したといわれています。
昭和47年、長内家から清藤六郎氏が譲り受け、本庭は清藤家所有と
なっています。

池前に打たれた大きな礼拝石や、大石武学流でみられる野燈籠、滝組

は見所として紹介されますが、こちらのお庭のドラマチックなところは

実は裏にあるのでは、と感じました。


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このことは、訪れたことのある人達で談議したいものです。

津軽の親方がよく言われるひとこと☆
たいしたもんだ。

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2014.11.10

植木探し3

ゴヨウマツの植え付けです。

千葉生まれの埼玉安行育ちのマツです。

安行は植木屋の町です。

関わっている青森のお庭も
安行よりほとんどの木を運搬したとの記録が残っていました。
少なくとも明治30年代には植木屋が存在していたようです。

街道挟んで両側植木屋です。感動します。

受け取りに。

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植木屋さんはこの運搬を嫁に出すようだと言っていました。

そして植え付けです。

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米俵より重い。

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土を入れて

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育てられた年月と手がひしひしと伝わります。

このあとの手入れで庭の運命が決まります。

完成って言葉はなかなかつかえないです。

   

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2014.11.10

植木探し2

植木探しの続きです。

松の木以外にも

生垣や洗濯物を隠すための植木も植えてきました。

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生垣はマメツゲの他に、

ワビスケ、ムラサキシキブ、ロウバイ、ムクゲなど茶道の時にいける茶花が植わります。

まだ苗の状態ですが、それぞれがそれぞれの伸びたい方向に伸びていき、ここでしかない形が生まれます。

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一年を通してにつぎつぎ表情が変わります。

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カクレミノと布おむつ。

ここは立川崖線と国分寺崖線の間の敷地です。国立は昔は水がおいしかったと言われる土地。井戸水が豊富だったようです。
現在も古くからある家の庭には井戸が所々残ります。
立川崖線から湧出した水は、その下の台地に位置する谷保天満宮をはじめその周囲に広がっていた田畑の貴重な給水源となっていました。
上の台地の役割というものがあるのです。
昭和期に宅地開発される前は、下の台地を支える雑木林でアカマツを中心とした美しい景観でした。
いまだに住宅街の庭先や、大学構内で見ることができます。

カクレミノの他に、カシ、コナラといった樹木を植えてきました。

もちろんアカマツも。

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小さいアカマツはいただきもの。

耳のついた彼のお手植えです。つづく。

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2014.11.10

植木探し

赤ちゃんが生まれたばかりのご夫婦から

子どもと一緒に生長していく木をいっぽん植えたいと

お話しがありました。

それが今年の4月ころの話です。

それから植木をさがすこと、約半年。

近場の植木屋からはじまり、埼玉、神奈川と。

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時には母子とともに、休みの日にはお父さんも赤ちゃんを抱いて見に来てくれました。

木の種類はゴヨウマツに決まりました。

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同種の木でも葉の色がさまざまなのはもちろん

枝ぶりは一本一本まったく違います。

そして念願の。

植えた様子はのちほど。    

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2014.10.23

田んぼアート



青森に着いたな~と感じる瞬間。


到着する前から感じています。

秋が深まってくるこのごろでは、まずは下にみえますは

少し色付きはじめます山々。


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と、その山のなかでも、

ひときわ目立つ山があります。

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津軽の名峰、岩木山。

続きまして、いよいよ恵みのリンゴ畑と田んぼが平野一面に

広がってみえます。


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今年の田舎館市の田んぼアートは、サザエさんと

天女だったそうです。

毎回、上空からみつけられるはず!と目を凝らしますが、

まだ凝視できていません。

しかし、そこには、まるで幾何学模様のような広大な

田んぼアートが広がっています。


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赤や青、緑のトタン屋根の町並みがみえてきました。

河川との立地から、現場が近いことがわかります。

いつみても風情を感じ、ここにしかない風景です。

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2014.10.23

石工



見事な石塀があります。


隙間なく積まれた石は緩やかな傾斜で保たれ

今なお精巧なその造形美と技術の高さに

見惚れます。

建造当初より経年的な風化でまるみも帯びた

風合いがまた味となってみられます。

表の仕上げのノミの使い方は石工の手の違いが見え、

おもしろいですね。


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石造物は最古の建材のひとつで木材に比べ維持され

やすいかと思いますが、ここ鹿児島の地に、これからも

間近にこのような貴重なものが残る町並みであり

ますよう、願う日々です。


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2014.10.23

眺め



とある現場のひと時、「ひまわりが打ちあがりましたね」と

その一言に、まわりにいた誰もがひまわりの話しで和やかな

空気に包まれました。

「そういえば雲がゆらゆらとゆれていたのは、やはりひまわ

りの通った雲だったからですね」と。

雲をみれたひとと、みれなかったひと、みれなくても鹿児島

にいることで、身近なできごとの一片として、皆で一体感を

感じることができた一日でした。


種子島宇宙センターから打ち上げられた静止気象衛星ひまわり

8号は、地球観測機能を大幅に強化された三菱の国産のロケッ

トなんですね。

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鹿児島空港には色々な景勝地の写真が広告されていますが

なかでも、一度行ってみたいと思っていました種子島宇宙

センター。


海岸線の白浜に透明度の高い海の波がよせてはかえす、

その脇には、最先端のロケット装置基地があるとは、不思議

な風景です。


宇宙に思いを馳せた昼から、夜には、伊丹空港に戻って

参りました。


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沢山のひとが生活を営む眺め。

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2014.10.14

茶会


京都御苑での仕事のかえりに

京都市内で行われている白夜祭の関連で

夜遅くまで展示を行なっているという話を

思い出し、弘道館へ行ってきました。

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弘道館は学生の時に

庭の平面図を描かせていただいた縁もあり、

何度か訪問させていただいていますが

夕刻の時間帯に訪問したのは初めてです。

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座敷に展示してある作品はまるでこの場所を

想定してつくられたかのようでした。

偶然お茶会が行われていたので、

途中参加させていただきました。

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茶室の天井には同じく大舩さんの作品が。

茶室が灯のあかりのみだったのでざんねんながら

写真には映りませんでした。

日暮れを襖越しに感じながら、

この茶会のためにつくられた老松のお菓子、道具の取りあわせ、

この日この時間にしか存在しない特別なお茶会でした。

なにより宗旦の茶入をあんなに間近に見たのははじめて。

京都の「美意識」というのものを肌でかんじますね。

お庭の草引き隊も募集しているようでした。

草をひきながら市中の露地をみることのできるいい機会なのでみなさんぜひ。

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2014.09.27

お庭の手入れ


彼岸花が咲き乱れる頃になりました。


以前、作庭させていただきましたお庭の、手入れに

行ってきました。


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高層建築に囲まれるこのお庭は、どこかの森と

の中継地点になり、

蝶や虫のオアシスになっています。


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お庭作業用の給水設備をと、造った立水栓は、レンガや

周りの植栽に馴染んできました。

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夏日の植えつけに弱っていましたミツマタが、元気に

吹き返しました。


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遠目ではわかりにくいのですが、実は野菜などを植えて

います。

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シシトウ豊作でしたとの声が聞けました!

また、ウリも順調☆

芝を刈り、徒長枝は剪定し、枯れた花は切落とし飾りに。

今年はヤマボウシに100匹近いイラガが・・・所有者さんが

痛い思いをすることがなくて良かったです。

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仕上げに水を打ち、しばし眺望を楽しませていただき

ました。

都会の中で驚くほどゆったりとした時間を過ごさせて

いただきまして、本当に有難うございました。

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2014.09.26

めの松


庭園毎木調査とは。


古くから守り受け継がれてきた庭園の植栽の

種同定、樹勢確認、害虫状況、その他もろもろ、

1本、1本、見つめます。



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整備を行う前の樹林帯の調査は、どの樹木を残し

育てるのがよいのか考え抜きます。大変やりがいが

ありますが、時に、この松のように、のびのびと大切に

育てられてきた植木を見ると、それはまた別の感動がこみ

上げてきます。